毎年、中国で開催される大型テレビ番組販売マーケット「北京電視節目交易会(Beijing TV Program Market & Exhibition)」。今年は第26回を迎えるこの交易会だが、現在中国で発生している新型コロナウィルス(COVID-19)による影響を受け、4月上旬に開催予定していた期日が延期になる可能性も出てきたという。

協会側はスムーズな取引を可能とするオンライン交易会の予備案を急きょ計画し、専門技術者による総合サービスプラットフォームの開発を急ぐ。万が一、対面取引が困難になった際でも、バイヤーたちが安心してテレビ番組を買い付けが出来る環境を整い、交易会が中断されないように様々な対策していくという。

情報先:关于积极应对肺炎疫情 全行业共克时艰的倡议书




私は毎年、中国各地で開催されるTVドラマ交易会にはいつも期待を寄せており、今後放送される作品を総合的にチェック出来る楽しみがあるからだ。また場合によって、日本でリリースされる予定の作品情報も拾えたりする。しかし今回は新型肺炎の影響によって、例年よりもドラマ交易会に関する情報量が減ってしまう気がする。

今年は特例として、TV番組のオンライン取引のプラットフォームも用意される予定だが、やはり対面取引に比べると、決してスムーズになるとは言い難い。特に海外バイヤーにとって不便なのは間違いないだろう。そうなってくると、今後日本でリリースされる中国ドラマの本数も少なくなるのでは?と、素人なりの考えと心配もあるが、プロの配給会社ならそれなりの対応もされる事でしょう。




現在、中国で制作されている多くのドラマや映画作品も、新型コロナ拡大防止対策の一環として、政府の規制令により撮影が一時中断しており、未だに本格的な再開の目途は立っていないという。また映画業界も作品上映が中止されてしまい、感染が長引けば長引くほど、中国エンタメ業界全体が深刻なダメージを受けるのは必至だろう。


そしてこの影響を受けて、最も早く悲鳴を上げるのは中小制作会社や企業になるのは言うまでもない。稼ぎ時の春節期間に莫大な損失を被った中国の映画館、そして撮影延期によって資金不足に陥り、撮影中止に追い込まれる作品の数々。氷河期が続く中国ドラマ業界にとって、更なる非情な追撃が続く。

もちろんエンタメ業界だけでなく、中国全体の企業は苦渋の決断を迫られていると思うが、今は政府の指示に従い、感染拡大の抑止、労働者たちの健康の気遣い、そして一日でも早く深刻な事態が終息を迎え、明るい方向へ進むようにと願うばかりだ。