2019年2月5日公開以来、SF映画『流浪地球/ザ・ワンダリング・アース』で描かれた迫力たっぷりな映像と感動の物語に称賛の声が止まない。2月28日付け、上映23日めにして興収累計44.5億(約738億円)を達成。そして3月1日、本作のVFX制作映像が公開された。


「作品の時代設定は、およそ今から五、六十年後の世界です。」映像の冒頭で郭帆(グオ・ファン)監督は本作の世界観を示してくれた。作品の時代は今からそう遠くなく、科学技術や生活など、全てにおいて現実世界に近い雰囲気を重視し、観客にリアリティのある近未来世界を体感してもらいたいという。


VFXを効率よく完成させるため、地下都市、地上、発動機、そして宇宙という四つのパートに分け、それぞれ異なるデザインを施している。地下都市部分は現実世界に近い作りになっており、今とほぼ変わらない暮らしの様子を表現している。


地上部分は厚い氷に覆われている極寒の地。劇中にある場所は実際の地名を使用し、それぞれの都市に代表する建物も多く登場させた。このような描写手法は観客に親しみを持たせると同時に、様々な感情を喚起させる狙いもあるようだ。


そして宇宙パートでは、他の部分と差別化を図るため、未来における科学技術を最大限に駆使し、大作SF映画らしいビジュアルを向上させた。このような区分化作業はVFX制作の効率化に役立ち、現場でのやりとりもスムーズに行えるそうだ。

「言葉を学習し始める子供のように、どうかその成長を見守って欲しい。」。郭帆監督は映像の最後にこう語った。今回披露したVFX制作映像は『流浪地球』の試行錯誤の過程であり、まだまだ足りない部分もある。中国SF映画の新時代はまだ始まったばかりだ。少しずつ成長し、今後更なる素晴らしい作品に期待したい。